デザイン論
デザイン論:デザインの様々な役割various roles and functions of design
デザインと一口に言っても、その幅は非常に広い。以下のように様々なジャンルがあり、それぞれに目的・役割がある。
① public公共デザイン:モニュメントであるので、目立たなければならない。そのため、奇抜extremely unusualであったり、人々の度肝を抜いたり(astonish, take aback)するような 、インパクトのある形・大きさになることが多い。そのため高度な技術が必要となり、なかなか完成しない。機能性(functional、practicalな側面character?)や周囲の環境とのharmony調和は、more often than not往々にして、reflected upon顧みられない(don't take notice of)。


オペラハウス
完成までずいぶん時間がかかった。
香川県立体育館(丹下健三:たんげけんぞう)
舟の形をまねした体育館:湿度が高く選手にとっ
て最悪の環境

2020年東京オリンピックメイン会場(決定→取り消し)(ザハ・ハディド)
周囲の環境と全く合っていない。
② アートのようなデザイン:日本語で「デザイン家電」とか「デザイナーズマンション」と呼ばれる。おしゃれfashionable, fancy, stylishであること、coolかっこいいこと、あるいは美しさが求められるデザインである。その分、性能(performance, efficiency)が落ちる場合もある。壊れやすいかもしれない。使い勝手が悪いこともある(not functional)。しかし、消費者、使用者の個人的な生活に喜びや楽しみを与えることができる。
ソニーのワイアレススピーカー ヤマハのスピーカー
パナソニックの扇風機
アイリスオーヤマのファン(一種の扇風機)
http://dezakade.blog76.fc2.com/blog-category-1.html
③ プロダクトデザイン:私たちの身の回りにある、あらゆる日用品(daily necessities)。
機能性functionality、practicality実用性が一番重視されている。使い勝手がよくなければならない(convenient)。
例えば、日本で味噌汁やお吸い物(soup)を入れて食べるのに使う「お椀(おわん)」は、下の写真のように持つのが正しい持ち方である。この持ち方だと、お椀をしっかりつかめ、落としにくいし、何より上品に見えるからである。従って、お椀の高さは、このような方法で持つことができる寸法(measure、size)でなければならない。またお椀の直径(diameter)の寸法は、お椀の高さの約2倍と決まっている。こうしてお椀を比較的浅くすれば(shallow)、中の料理がよく見えるからである。このように日本のお椀は、機能性・実用性を重視したデザインを持つ。

④ 啓発のための(for enlightenment, inspirational)デザイン(メッセージ性のあるデザイン):社会的・政治的に大切なメッセージを発するために考えられたデザイン。
例えば日本のデザイナー、坂茂(さかしげる)の作品に、「中の芯(しん)を四角にしたトイレットペーパー」がある。回転しにくいため、紙の無駄遣いを防げる。省エネルギー(saving energy)のために役立つし、また、そういう意識を育てることにもつながる。
あるいは面出薫(めんでかおる)の作品に「木の枝を使ったマッチ棒」がある。このような「自然の中の物」とくっついたマッチを使うとき、人は「火」の起源(origin)を意識することができる。「火」とは元々、自然の中で生まれたものであり、その時の火はマッチの火のように弱く、小さく、そして暖かいものであったことをあらためて思い出すことができるかもしれない。また、そんな「火」と違って、人間が生みだした「火」は強く、大きく、恐ろしいものであることに気づくかもしれない。面出の作品によって、消費者は「火」の本質(substance)を考えることができるのである。
この4番目のデザインを、日本の著名なデザイナー原研哉は、「リ・デザイン(re-design)」とか「デザインをデザインする(designing design)」と名付けた。どういう意味なのか。
多くの人を啓発するためには、多くの人に使ってもらえるデザインでなければならない。従って、①や②のようなインパクトの強いデザイン、アート的なデザインではいけない。そういうものは人によって好き嫌いが出てくるため、たくさんの人が使ってくれるとは限らないからだ。
一方、すでに多くの人が使っている、③のプロダクトデザインなら上の条件を満たすことができる。このプロダクトデザインに「何か」を付け加え、そこに「啓発」メッセージを「乗せる」ことを試みたのが、上の二つの作品である。もともとあったプロダクトデザインに新たなデザインを加えるという意味で、原研哉は「リ・デザイン」とか「デザインをデザインする」と呼んだのである。
以上のようにデザインには様々な種類と役割がある。長所と短所がある。そしてどのデザインも、一定の(to a certain extent)社会的貢献(こうけん:contribution)を果たしている。今回の考察で、私はデザインのこうした幅広さ(はばひろさ:wideness)と奥深さ(おくぶかさ:depth)に改めて(あらためて:once more)気づくことができた。そして特に興味深かったのが、④の「リ・デザイン」という手法(しゅほう)である。ほんのわずかな工夫にすぎないにもかかわらず、強い社会的・政治的メッセージを発することが可能になる。ゼロからデザインを産み出すわけでもないので、この方法を使えば、プロのデザイナーでなくても、社会に影響をあたえられる作品を創作することができるかもしれない。




Comments
Post a Comment