ニューディール政策で作られたダム

 

 


                                                                                            ニューディール政策で作られた

                                                                                            テネシー川流域のダム

 

 

 

 

 

 

『学習漫画 世界の歴史Vol.18 2次世界大戦』

                 3ページ)

 

【この写真のメッセージ】

 「大恐慌」が起こった後も、大統領のフーバーは無策であった。失業者を救済するための具体的な政策を実施することもなく、国民の自主的な努力(つまり「自己責任」)に任せたのである。しかしあれほど大きな恐慌を「自己責任」で克服(こくふく:overcome)できるはずもなく、何もしてくれない共和党のフーバー大統領は国民の信頼を失う。一方、民主党のフランクリン・ルーズベルトは、政府が積極的に経済に介入(かいにゅう:intervention)し、雇用を創り出さなければならないと考えていた。そんな彼が大統領になると実施したのが「ニューディール政策」である。国家の予算を使って大規模な公共事業を行い、仕事を創った。また工業生産や銀行を国家が管理・監視するなど、社会主義のような政策を行って、経済の回復を図った。

 この、「自由放任」(じゆうほうにん:noninterference policy)ではなく、政府による経済のコントロールが必要と考える「ケインズ理論」に則った(のっとった)ルーズベルトの政策により、アメリカは「大恐慌」の傷手(いたで:serious wound)から立ち直ることに成功した。写真のダムは、自由競争、自己責任、規制緩和(きせいかんわ:deregulation)といった現在の「新自由主義的」(neo-liberalism)な理念だけでは国民の生活を守れない、という歴史的な事実を語っている。

 

【この写真を選んだ理由】

 「国民一人一人の暮らしを絶対に守る」というルーズベルト大統領の「やさしさ、あたたかさ、理想」は、辛い立場にある国民にとって絶対に必要なものであろう。なぜなら、彼らにエネルギーや希望を与えることができるからである。政治家にはこうした態度や言葉が絶対必要である、ということに改めて気づかせてくれたため、この写真を選んだ。

Comments

Popular posts from this blog

Vegetable People Practical

Single Text Essay Structure

COMPLETED VERSION Charles Perkins and the 1965 Australian Freedom Ride