証券取引所に集まったアメリカの群衆
「暗黒の木曜日」と言われる株価大暴落で混乱するニューヨーク証券取引所(しょうけんとりひきじょ:securities(stock) exchange)前
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/f/06/
【この写真のメッセージ】
株(かぶ:stock)の値段が大暴落(だいぼうらく:stock market
slump(crash))して大損(suffer heavy losses)をした人々が怒って、ここに集まってきた(?)。この写真は「大恐慌」の原因が何であるかを如実に(にょじつに:vividly,realistically)表している。では、その「原因」とはいったい何だろう。実は彼らアメリカ人自身の「心」なのだ。
第1次大戦後のアメリカの好景気(こうけいき:economic boom)に浮かれ(うかれ:be
in high spirits)、誰もが「もうけ:profit,earnings)」に走り、株を買った。みんなが買うので株の値段が上がる。株を発行している企業の値段(価値)も上がる。もちろん企業は資金を、よりたくさん調達(ちょうたつ:procure(get) money)できる。
こうして企業は、ものを作って売るという「実体経済(じったいけいざい:substantial economy)」よりも、株の売買でもうけることに力を入れた。その結果、需要(じゅよう:demand)と供給(supply)のバランスをきちんと把握(はあく:grasp)するなどの努力を怠り(おこたり)、無計画に製品を作りすぎ、企業の業績(ぎょうせき:result)は悪化していった。そのことに不安を覚えた人々が、値下がりする前に株を売ってしまおうとしたために株の価格が一気に暴落、あっという間に多額の損失に見舞われてしまったのである。
その結果が「大恐慌」であった。とすれば、その真の原因は、「楽してお金を儲けよう」というアメリカの大衆の心理だと言える。そんな大衆を映したこの写真は、「大恐慌」の本質を私たちに教えてくれている。
【この写真を選んだ理由】
結局、「働かずにお金を儲ける」「楽して稼ぐ(らくしてかせぐ)」という生き方を多くのアメリカ人が選んで株の取引に走り、そのために企業は「本当のビジネスのやり方」を見失ってしまった。そしてその結果が「大恐慌」であった。こう考えれば、当時のアメリカ国民の「勤勉さ(きんべんさ:diligence)の欠如(けつじょ:want)」こそが「大恐慌」の原因であったと言えよう。 証券取引所に多くのアメリカ国民が集まったこの写真は、その事実を私たちに想像させてくれる。そこで私はこの写真を選んだ。
Comments
Post a Comment