パンの配給に並ぶ失業者たち

 

                                                   パンの配給(はいきゅう:distribution)に並ぶ失業者たち

              (『学習漫画 世界の歴史Vol.18 2次世界大戦』

                 3ページ)

 

 

 

 

 

 

 

 

【この写真のメッセージ】

恐慌はますます深刻化し、アメリカ人の4人に一人は失業した。しかし当時の連邦政府(ふーバー大統領)は、ただ手をこまねいて(手をこまねく:状況を見ているだけで何もしないこと。何もトライしないこと)見ているだけであった。ついに人々はその日の食事にも困るようになり、こうして食料の配給に集まって、何とか生きていた。そんな当時のアメリカ社会の絶望的な状況をこの写真は示している。

それにしても、この写真に写っているのは中年の男性ばかりだ。女性が一人も並んでいないことから見て、当時のアメリカには「男は外で働き、女は家で家事をする」という「性別役割分業(せいべつやくわりぶんぎょう)の意識が強かったことを示している。こういったアメリカ社会で人々に手っ取り早く(てっとりばやく:promptly, quickly)仕事を与えるなら、「肉体労働」が一番だろう。その意味で、この後、新しく大統領になったフランクリン・ルーズベルトの「ニューディール政策」(大規模な公共事業(こうきょうじぎょう:public enterprise)を行って、人々をそこで働かせ、給料を払う)の登場が、歴史的必然(historical necessity, inevitability)であったことを、この写真は語っている。さらに言えば、アメリカの「戦争への参加」という「未来の姿」も結局は必然的であったと、この写真は語っている。

(軍隊は一種の就職先だし、戦争で人口が減れば、戦後は修飾するチャンスが増える)

 

【この写真を選んだ理由】

とにかく、列に並んでいるのが男性ばかりということに、違和感(いわかん:a sense of incongruity)を持った。なぜ女性は一人もいないのだろう。この疑問から、私はその後のアメリカ社会の歴史について考察をめぐらせることになった。そのきっかけになったという理由でこの写真を選んだ。

 

 

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