ニューヨークのウォール街での労働者の抗議デモ

 

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ニューヨークのウォール街での労働者の抗議デモ

http://blog.nihon-syakai.net/blog/2008/10/890.html

 

【この写真のメッセージ】

これは、いつかどこかで見た光景にそっくりである。これは、2008年に起こった「サブプライムローン問題」に端を発した(たんをはっした:trigger off)労働者たちのデモの写真だ。多くのアメリカ国民が、マイホームを担保に(mortgage, security for loan)じゃんじゃんお金を借りまくり、そのお金を使ってものを買いまくったり、享楽的な(pleasure-seeking)生活を送った。住宅の値段がどんどん上がっていたので、そのおかげでいくらでも借金ができたのだが、突然住宅価格が暴落し始め、家を売ってもその借金が返せないことになった。こうして少しでも借金を返そうと家を売りはらった人々が、路上生活を始めるようになった。これも「いつかどこかで見た」光景である。

こうしたアメリカの経済問題が世界に波及する(はきゅうする)のも、あの「大恐慌」と全く同じである。金融工学を使って、わけのわからない「債権(さいけん:bond, securities)」がアメリカで作られ、それが世界中で売られていた。当然アメリカの経済が大打撃を受ければ、アメリカ人は借金を返せなくなるので、それらアメリカで作られた債権を持っていてもお金は帰ってこない。こうして世界中で大損した人が出てくる、というわけだ。

アメリカ人は、あの「大恐慌」から何も学ばなかったのだろうか。「のど元過ぎれば熱さ忘れる」ということわざ(proverb)が日本にはある。「どんなに苦しいことがあっても、それをいったんくぐり抜ければすっかりその辛さも忘れてしまって、また同じことを繰り返してしまう。人間とはそんな愚かな(おろかな)存在だ」という意味だ。これが人間の「宿命(しゅくめい:fate,destiny)」なのだから仕方ない、とあきらめるしかないのだろうか。

もちろんそんなことはない。歴史を学ぶのは、悪いことは二度と繰り返さないよう強く決意するためだ。私たちは歴史を学び、理解し、そしてそこから数多くの教訓を発見していかなければならない。この写真は、「こんなシーンを見て、あなたは私たち人間はどうするべきだと考えますか」と私たちに問いかけているように思える。この「問いかけ」が、この写真のメッセージである。

 

【この写真を選んだ理由】

この写真は、私に、人間の愚かさと、歴史を学ぶことの大切さをはっきり教えてくれた。そういう意味で、インパクトが非常に強かったために選んだ。

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